銀行借入に必要な書類と交渉術

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銀行借入とは?

128312銀行からの借入を成功させるためにも、まずは「銀行借入」とは何かという基礎的なことから確認しておきましょう。

「銀行借入」とは、「銀行」という企業や一般個人から預金を集めることができる金融機関から必要とする資金を借りることです。

銀行は一般個人から預金を集めていることもあり、信用をとても重視します。銀行借入した場合には、当然のことですが、契約した返済方法をしっかりと守って返済することが何よりも大切なことになりますし、銀行もその点を最も重視して融資するかどうかを判断します。

昨今の銀行借入事情

では銀行ではどのくらいの金利で借りられるのか、容易に借りることができるのか等、昨今の銀行借入事情について紹介致しましょう。

・借入金利は二種類ある銀行から借入を行う場合の金利は、大きく「変動金利」と「固定金利」」の二種類があります。

1.変動金利とは実勢の金利情勢に応じて借入金利が変動するもの
2.固定金利とは文字通り借入金利を固定することで借りた資金に対する利息額がはっきりとわかるもの

どちらが有利か不利かで言えば金利が上昇している場合には固定金利、金利が下降してる情勢では変動金利が有利と言われますが、金利相場は誰も見通すことはできませんので、どちらが有利になるかを借入段階で判断することはほぼ無理と言えます。

・銀行間で大きな差があるわけではなく、借入を行う法人によって開きが生じる

では2016年7月現在における銀行金利ですが、最低金利で0.6%前後、最高でも例外的なケースを除けば4.0%程度です。
こうした金利上の開きが生じている理由ですが、これは銀行間での差と言うより、むしろ借入資金の目的や借りる企業側の状況によって開きか生じます。

その理由等についてはこの後詳述しますが、借入事情として理解しておくべきことは、同じ金融機関で同じ融資金額を申し込んだとしても、資金目的や借入を申し込んでいる企業の違いによって金利が異なってくることは理解しておくべき重要事項と言えます。

・審査は大変厳しい

では銀行で借入を行うことは容易にできるかどうかですが、結論から先に申し上げればそのハードルはとても高いと覚悟しておくべきです。

特に企業の場合、経営トップ個人の所得を含めて大変厳しい審査を受ける必要があります。

しかしながらそうした厳しい審査を経るからこそ、借入が実現した場合には最高でも4%前後と言う安価な金利で融資を受けることができるとも言えます。

借入金利が企業によって変わるのはなぜ?

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では借入金利が銀行間というより、なぜ借入を行う企業によって変わってくるのかという点についてご説明しましょう。

これは皆さんが「貸す側」の立場になって考えれば理解しやすくなります。

お金を借りようとしている企業が非常に経営状態が良好である場合と、経営状況が悪化している場合ではどちらに安心してお金を貸すことができるでしょうか。

次に、銀行で借入を行う場合には担保、即ち借金の形の有無を尋ねられることが多いのですが、担保がある企業とない企業ではどちらが貸す側として安心できるかと言えば当然前者ですよね。

また、銀行で借入を行う際は「連帯保証人」といって融資を受ける企業と実質的に同じ責任を負う必要がある保証人も求められる場合もありますが、連帯保証人が上場企業の社長という場合と収入が不安定な職業の方という場合なら、前者の方が安心感が高いですよね。

このように借りる側の企業の経営状況や担保の有無、連帯保証人信頼性等々で貸したお金をちゃんと回収できるかの見通しや可能性は大きく違ってきます。

銀行としては借りたお金を利子と共に回収しなければ損害を被ることになります。

その点で回収できない可能性が大変低ければ銀行が損を被るリスクも低下しますので、その分安価な金利で貸すことが出来ます。

一方、回収できる可能性に懸念がある場合には、銀行側に損害が生じるリスクや回収に伴うコストが発生する可能性が高まりますので、金利を高くすることでそれらをカバーする必要があることから、条件が悪い企業は高い金利となってしまう訳です。

いくらまで借りられるの?

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金利は借りる側の条件や状況次第で高くなったり、低くなったりすることはおわかり頂けたと思いますが、では銀行からいくらぐらい借りることができるのでしょうか。

実はいくら借りられるかも、金利同様借りる企業側の経営状況や条件等によって異なってきます。

100万円であっても融資を断られる企業もあれば、1億円でも銀行側が喜んで融資してくれる企業もあります。

では何か目安になる金額がないのかと言えば、あくまで一つの目安に過ぎませんが、その企業の年間売り上げが借りられる金額を推察できる一つの目安になってきます。

大雑把に言えば、その企業の年間売り上げが1億円であれば一般的には3千万円から5千万円程度、即ち月間売上の3か月分から5ヶ月分程度がおよその限度目安になります。

ただ条件次第では、売上1億の企業でも1億円程度の融資が実現する場合もあり得ます。その逆で売上1億円であっても経営状況次第では融資を受けられない場合も十分あり得るのが銀行借入というものです。

また、特に「いくら借りられるか」という点において企業の経営状況や条件と同じぐらい重要になってくるものがあります。それは「借入目的」です。

借入目的ははっきりしていますか?

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ではなぜ企業が資金を借りる場合、借入目的がそれほど大事になるのでしょうか。

これも貸す側の視点で考えてみましょう。

企業がお金を借りるのは一言で言えば「事業でお金が必要だから」と言うことですが、では毎月赤字で資金が不足してきたのでお金を貸して欲しいという場合と、経営が順調なので店舗を増やしたいから資金が必要だという場合はどちらに積極的に貸したいと考えるでしょうか。どちらも事業資金に違いはありません。が、貸す側としてはお金を返してもらう必要がありますから、前者の目的ではちゃんと返済してもらえるか不安ですよね。

そのため、資金をなぜ必要としているか、何にその資金を使うつもりなのか目的を明示することは銀行から融資を受ける場合の絶対条件なのです。

では、後者の目的なら必ず借入は可能となるでしょうか。答えは「NO」です。

この点も貸す側から考えてみましょう。

新しい店舗を出すということは儲かる可能性もある反面、失敗する可能性もあります。

また、儲かる店舗であっても最初から黒字というのは考えにくく、一般的には1年~2年程度は赤字経営となることは十分考えられます。

では、借りる側が数年程度は赤字となっても、借りた資金をちゃんと返済できる合理的な根拠に基づいた返済計画をしっかりと立てた上で借入を申し込んできた場合と、そうした計画は一切なく「今儲かっているから新しく出店しても必ず儲かる」とだけ訴えている場合なら、皆さんはどちらにお金を貸すでしょうか。

当然前者ですよね。

つまり、借入目的をただ明示すれば良いのではなく、合理的な根拠に基づいてどのように借金を返済してゆくか、返済計画も合わせて明示することが借入を行う上でとても重要なことなのです。

返済計画作成のポイントとは?

借入目的と共に返済計画が大切であることはおわかり頂けたと思いますので、では返済計画作成のポイントを箇条書きでご紹介致しましょう。

・返済資金の元となる収入については過去の実績を元に、楽観的な数値ではなく厳しく見積もった売上で計画を作る・特に新規出店といった場合には、出店地域等の市場分析を細かく行うなどして売上の合理的な根拠を示す資料を計画に添付する

・赤字の期間、および利益が出ても返済資金が不足する期間は例えば手持ち資金を充当するならその手持ち資金を有していることを証明できる書類も添付する

・借入資金に対する返済期間が仮に3年なら、3年間の収支計画に基づいた返済計画案とする

・収支における支出項目は絞るのではなく考えられる限りの支出項目を検討して含める

尚、返済期計画における毎月の返済額は金利によっても異なりますが、想定金利としては4.0%程度で見積もっておけば良いでしょう。

また借入額と金利、返済期間を想定できれば、毎月の返済額の計算はネット上にある「ローンシミュレーション」といったサイトを利用すれば、それらの数値を代入するだけで簡単に割り出すことができるので返済計画を作成する場合に便利です。

銀行借入に必要な書類とは?

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それではいよいよ銀行借入を行うには返済計画書以外にどのような書類が必要なのか、こちらも一覧でご紹介することにしましょう。

具体的な必要書類は借入を申し込む個々の銀行によっても異なる場合もありますが、下記でご紹介する書類は概ねどの銀行でも必要になってくるものとしてお考え下さい。

・3期分の決算書(3期分なくとも可能な場合はありますが、一般的には3期分ないと厳しいと考えてください)・事業概況や会社の事業を説明できる書類(パンフレット等)

・履歴事項証明書(商業登記簿謄本のことです)

・資金の使途に関する資料(例えば機械を購入する場合にはその機械の見積書など)

・試算表(決算後3ヶ月以上経過している場合には、決算後から現在までの月次で決算した場合の数値が求められる場合があります)

・代表者個人の身分証明書

銀行借入の交渉ポイントとは?

銀行借入を行う場合、書類審査が中心とはなりますが、銀行の融資担当者とある程度の「交渉」によってその結果が左右される場合もあります。

では銀行と借入交渉を行う場合には、どのような点がポイントとなるか、特に重要だと思われるポイントを3点に絞ってご紹介しましょう。

・冷静に且つ意欲的に
銀行は融資を申し込む代表者の人柄も実は評価しています。一定の熱意があることは必要です。しかし情熱だけが空振りしていないよう、現実的な数字に関する説明等の場面では冷静に状況を掴んで説明していることをアピールすること、即ち冷静さも大切です。・ウソやごまかしは絶対にNG
銀行は何よりも「信用」を重視します。つまり人柄を評価するというのは要は「信用できる人物かどうか」を評価していると言っても過言ではありません。
そのため、仮に不利になる数字や状況を答えなければならない場面でも、正直に回答することが大切です。融資担当者は数多くの融資申込者と接した経験を持っていますので、ごまかしたり、ウソをついたりしてもばれてしまうと考えておくべきです。
仮にその場をやり過ごせても後から事実が判明してしまえば、つまりウソがばれればその時点で借入を断られる結果となってしまいます。・交渉時にはビジネススーツが基本
仮に職場では私服や作業着であったとしても、銀行に出向いて融資を申し込む場合はこちらの誠実さや意欲、紳士的な態度を示す意味でビジネススーツを着用するようにしましょう。

銀行借入を断られた場合の他の資金調達方法

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努力した甲斐もむなくし、銀行から借入を断れた場合にはどうすれば良いのでしょうか。

銀行はその規模や経営エリア等により「都市銀行」「地方銀行」「信金、信組」の大きく3つに区分けすることができます。

借入の敷居も都市銀行より地方銀行、地方銀行より信金、信組の方が一般的には低いため、この区分を目安に「他行」をあたってみることが必須です。つまり1行で断れたぐらいで諦めるべきではないということです。

その上で、銀行から借入できなかったという場合は国営金融機関といえる「日本政策金融公庫」の門戸を叩いてみましょう。
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では日本政策金融公庫も断られた場合はどうすれば良いかですが、あくまで「金額」次第ですがノンバンクといわれる貸金事業者からお金を借りるという方法が残されています。

ノンバンクは金利が高い代わりに比較的審査は緩やかであるため、望みはあります。

ただし、金利が一気に高まりますので高額の資金借入はできるだけ避けた方がよく、ノンバンクを利用するなら500万円程度を上限と考えた方が良いと言えます。

Q&A

ここで皆さんからの質問に対してお答えすることにしましょう。

ワカル編集部ワカル編集部

中小企業でも借りられる?

疑問

はい、勿論借りることはできます。ただし、中小企業であれば都市銀行ではなくまずは地方銀行や信用金庫等を借入先の対象と考えるようにしましょう。

ワカル編集部ワカル編集部

銀行融資についてどこに相談すればいい?

疑問

各銀行の窓口に「融資」専用の窓口が設けられていますので、そこで融資に関する相談を行うことが一般的です。融資相談だけならどの銀行も気軽に応じてくれますので、借入を検討している銀行の最寄支店を訪問すれば良いでしょう。

ワカル編集部ワカル編集部

超低金利融資があるって聞いたんだけど?

疑問

超低金利融資とは例えば東北大震災で大きなダメージを受けた企業が、その地域で事業を復興させるための資金等、国や自治体が政策的に金利を補助をしてくれる条件等に合致する場合に適応される融資です。従って、一般的な設備投資や運転資金の借入では「超」がつくほどの低金利が適応されることはありません。

個人が銀行から借り入れる方法

これまで法人が銀行から借入を行う場合を中心に紹介してきましたが、個人が銀行から借入を行うにはどうすれば良いのでしょうか。

住宅ローンやマイカーローン、教育ローンといった目的が限定されたローンではなく、使途目的が限定されない「カードローン」での借入を前提とて、代表的な事例として次の4つの銀行のケースをご紹介します。

・楽天銀行
140楽天銀行の「カードローン」の申込方法はとても簡単です。ネット上でカードローン申込み画面に従って必要事項を入力するだけで、申込みを全て行うことができます(ただし個人事業主の場合は収入証明書が必須です)。金利は1.9%~14.5%で最大限度額は800万円、おまけにATM手数料が無料の他、借入金額次第で楽天ポイントが付与される場合もあります。

 

・みずほ銀行
128みずほ銀行もみずほ銀行の普通預金口座を開設しており、且つ限度額が200万円であれば楽天銀行同様カードローンでの借入申し込みは全てネット上で手続きが行えます。もし200万円の限度額を超える借入申込みを行う場合は、本人確認書類や収入証明書を準備する必要がありますが、それらもカメラで撮影してネット上で送信するだけで行えますのでやはり来店は不要です。同行の一般的なカードローン金利(コンフォートプラン)は金利年 3.5%~14.0%、最大限度額は1千万となっています。

 

・三井住友銀行
mitsubishi-bank三井住友銀行カードローンの申し込みは24時間365日スマホからでも可能!口座をお持ちでない方でも、すぐにお申し込みできます。ご契約極度額に応じた金利4.0%~14.5%でご利用できます。

 

・セブン銀行
sevenbank-2セブン銀行のカードローンでお金を借りる場合はセブン銀行の口座を開設する必要がありますが、カードローンと同時申込が可能です。限度額は10万円、30万円、50万円の3種類のみとなっており、申し込んで審査は最短10分となっていますが、口座がない場合にはセブン銀行のキャッシュカードが届いてから利用できるようになりますので、実際に利用できるには2週間程度要する場合があります。尚、借入金利は15%のみのシンプルな設定になっています。