ふるさと納税

ふるさと納税の仕組みを解説※控除・上限・期限・還元率まで

皆さん、「ふるさと納税」という制度知っていますか?名前くらいは知っている人も多いのかもしれません。「自分はずっと実家に住んでいるからすでにずっとふるさと納税しているから関係ない」、実はそうではないんです。法的にも問題がなく地方創生に役に立つ非常に面白い制度ですのでせっかくですから活用してみましょう!

■ふるさと納税って?

ふるさと納税とは、住民税などの一部を全国の自治体に「寄付」することで、寄付した分を翌年の住民税から控除する(つまり寄付した分だけ住んでいる自治体からの税が減る)制度です。

もっと分かりやすく書くと、翌年の住民税を前納する制度だと思ってください。寄付する自治体は自分が住んでいる自治体以外であれば、自分の出身地、ふるさとでなくても全国どこでもOKです。学生時代住んでいたところでも、彼女の出身地でも、恩師の故郷でも、好きなアニメの聖地でも・・・、どこでもいいんです!

■ふるさと納税ができた経緯

都会と地方の格差拡大は近年日本の大きな課題ですよね。地方からどんどん人が都会に出て行って、地方は税収が減る。夕張市の例でもよく分かるように、人がいなくなる→税収が減る→自治体が破たんするという流れになってしまいます。

その流れを止めて、地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として、全国の知事)たちによって提言された「故郷寄付金控除」の構想をもとにしています。

それまで、芸能人やスポーツ選手などが敢えて、東京などに住民票を出さずに故郷に住民票を置いたまま生活していたこともあり、何らかの形で生まれた地域に恩返ししたいという人のニーズは高かったんですね。

その提言をもとに2007年に正式に「ふるさと納税」の制度が創設されました。その際に、必ずしも出身地等ではなく自分の住民票がある自治体以外の自治体ならば、基本的に全国どこでも(全くゆかりのないところでも)寄付することができる制度になりました。

■ふるさと納税のシステム

翌年に納めることになる住民税の約2割(20%)を上限に、地方の自治体にふるさと納税できます。全額ではないので注意してください(だって住んでいる自治体が破たんしてしまいます)。

寄付額-2000円=税金の控除

になります。つまり手数料が2000円かかると思ってください。50000円寄付すると48000円の税金が控除されるという仕組みですね。

でもそれなら、手数料払って税金を前納するのはバカバカしいのでは?と思うかもしれません。まぁ、お世話になった自治体に恩返しするならそれもありかもしれませんが、制度としては面倒なだけで広がりがなさそうです。

しかし、「返礼品」(寄付をすると寄付額に応じてもらえるその地域の特産品等)があるため、色々な所に寄付をしてお礼をもらってしまおう!という流れが出てきました。確かに、「特産品」という見返りがあるとやりたくなりますよね!

当初はふるさと納税して税金控除を受けるためには「確定申告」が必要でした。しかし、確定申告は面倒ですし、税金天引きで年末調整してくれる会社員の方などは手間がかかるだけでした。

しかし、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」という確定申告不要の制度ができたので、会社員の方でも簡単にふるさと納税できるようになりました。

なお、個人事業主やフリーランスの方は当然ですが、確定申告しますから「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は利用できず、確定申告の際に寄付金の受領書を添付して手続きします。

□控除額

控除額については、確定申告後あるいは年末調整後の住民税などが基準になります。

独身か結婚しているか、家族がいるのかなどで変わってきます。

控除額についてのシミュレーションサイトがあり

https://www.furusato-tax.jp/example.html

ここで大体わかりますが、住民税は自治体で異なりますから100%正しいというわけではありません。「大体今年の収入はこのくらいかな・・・」と予想して寄付することになります。

目安として、夫婦と子供がいる場合

年収       寄付額の上限

300万円      11,000円

600万円      60,000円

1,000万円     156,000円

くらいになります。

□上限を超えた場合

ふるさと『納税』ではありますが実際は寄付の控除を利用した制度になります、つまり、控除の上限額を超えて寄付してももちろんOKです。ただし、上限額を超えて寄付した分は控除されず、本当に寄付をしたことになるだけです。

また、例えば住民税等がかからない年収の人でも寄付することはできます。しかし、控除する税金そのものがないのですから、その場合もやはり単に寄付したことになります。

税金を前納するのではなく純粋にお世話になった自治体に寄付をたくさんしたい!という人も、もちろんOKなんです。

□ふるさと納税の期限

ふるさと納税の期限ですが、その年の12月31日までに入金が確定したものになります。入金すると寄付した自治体から「受領証明書」が送られてくるので、その日付が12月31日までのものになります。

例えば平成28年分の確定申告の対象となる(平成29年の税金の根拠になる)ふるさと納税は、平成28年1月1日~12月31日までに入金したものになります。平成29年1月以降の寄付は翌年の税金から控除されます。

■返礼品と還元率

なぜこのサイトも含めて、ふるさと納税がもてはやされるのか、それは寄付した自治体から「返礼品」と言ってお礼の品がもらえるところが多いんです。その土地の名産品を寄付するともらえるので、自分と縁もゆかりもない自治体へも寄付したくなります。うなぎが有名な自治体ならばうなぎをもらえるというわけですね。

その返礼品の額が、2000円(「手数料」の金額)以上であればそれだけで得であり、ふるさと納税した方がいいということになります。

収入が高い人は、控除上限額を分割して、全国の様々な自治体に寄付して返礼品をもらいまくるという人もいます。控除上限額が多い人=稼いでいる人のほうが有利であり、その意味ではお金持ちほど得をするという制度になっています。

□還元率って何?

返礼品について言及する際についてくるのが「還元率」です。原価が高いものを返礼品としてもらえれば得ですよね。

しかし、問題もあります。20000円寄付して20000円のものが返礼品として返ってきたら、本来納められるべき税金で自分のものを買ったことになってしまいます。

返礼品の額/寄付した額×100 (%)を還元率と言います。

20000円寄付して、10000円相当のうなぎをもらえば還元率50%ですね。

・・・そうです。たくさん寄付してもらおうと、返礼品を高いものにして還元率を上げる過当競争になってしまいます。寄付する方はそれでいいのですが、税金をふるさとに寄付する本来の制度の趣旨からは逸脱してしまいますよね。

うなぎなど食べ物とかならいいのですが、自治体の中には商品券や家電を返礼品としていたとこともあり、当然それらは換金できてしまいます。納めるべき税金がお金になって戻って来てはさすがに問題ですよね・・。

というわけで、2017年4月に総務大臣の通達が出されて

①換金性のあるもの、資産性のあるもの(家電等)はダメ
②還元率は30%以内

にしてください。ということになりました。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/11307701.pdf

強制力があるものではなく、自治体の中には抵抗しているところもあるようです。ただ、ふるさと納税紹介サイトはこの基準で各自治体のプランを掲載することになりました(つまり商品券や還元率が30%を超えるものなどは例え自治体が続けていても掲載しない)。

還元率30%以内でいかに自分が欲しいものを探すのか、が今後のふるさと納税のポイントになると思います。

もちろん、返礼品目当てではなく、本当に恩返しでふるさと納税したいというのは本筋ですからそういう人は大歓迎です。

また、東京都区部などの自治体では返礼品自体がないところもあります。つまり、ふるさと納税しても何ももらえませんが、それでも寄付したい人はしてください、というスタンスですね。税収が多い自治体はもので釣って納税してもらわなくてもいいんです。

■ふるさと納税の具体的なやり方

具体的にふるさと納税はどう行うのでしょうか?

①自治体に直接納める

自治体のHPなどから申請書を取り寄せて、それ(振込用紙など)で寄付します。

②ふるさと納税サイトから申し込む

https://www.furusato-tax.jp/

のような「ふるさと納税専門サイト」から、通販を申し込むように寄付ができます。全国の返礼品が一覧になっているのでその方がいいかもしれません。

③寄付後はどうする?

寄付後、返礼品と同時、あるいは別に「受領証明書」が送られるので、それを添えて確定申告をします。受領証明書がないと税金は控除されないので注意してください。

④「ふるさと納税ワンストップ特例制度」はもうひと手間

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用する人は、確定申告は必要ありませんが、寄付後に必要書類(身分証明書やマイナンバーカード)を送ります。税金の控除にかかわるのでマイナンバーの証明が必要になります。

なお、ワンストップ特例制度で寄付できるのは5つの自治体までなので、それ以上(6つ以上)の自治体に寄付して控除を受けたい場合は、確定申告する必要があります。

■返礼品ではなく災害への寄付も

この制度、納税してついでに返礼品(地方の特産品)ももらえる制度なのですが、災害時の寄付にも使われています。地震や台風などの災害時に、災害があった自治体にふるさと納税する人がかなりいます(今なら熊本地震の災害復旧のため熊本市や周辺自治体に寄付をする人が多いです)。

災害復旧している自治体は返礼品を用意することは大変で、返礼品なしでもいいですか?と聞いてそれでもいいという人がかなりいます。

これならば自分の税金を直接災害復旧のために役立てることができるので、どうせ住んでいる自治体に納税するくらいならば・・・という人に役に立つ制度です。本来の寄付控除の趣旨にも合っていますよね。

本当は募金したいけどなかなか大変で、これならば本来納税するものを寄付できるので便利なんですね。被災地にはよくわからないものを送るよりも現金が一番なんですよ。

■還元率は上限アリ、その中でいいものを!

かつては還元率に制限がなかったため「出血大サービス」的な返礼品競争がありました。ただ、やはりそれは「ふるさとに納税する」という本来の趣旨から逸脱してしまっていたんでしょうね。

「上限30%」という還元率の中で、本当に欲しいものを上手に選びたいものです。原価はそれほど高くなくても、その地域の特産品や伝統工芸品など、価格では計れない価値のあるものを納税のお礼としてもらえる、それだけでも素晴らしいことだと思います。

ふるさと納税は、納税額が多い人ほどどの自治体にいくら寄付するのか、選択の余地があります。「稼いでも税金で取られるばかり」ではなく、色々な特産品を手に入れるチャンスがあると思うと少しは楽しくなると思います。

全く知らなった自治体があり、日本はとても広いということを知ることができ、自身の見識も広がりいいことばかりだと思います。

というわけで、必ずしも「節税」にはつながりませんが、せっかくの税金、特色ある「ふるさと」に納めてみてはいかがでしょうか?

■ふるさと納税の控除・上限・期限・還元率などを解説 まとめ

・ふるさと納税は本来住んでいる自治体に納める税金の上限2割を別の自治体に「寄付」する制度
・「寄付額-2000円」が税金から控除される
・寄付額は収入に応じて上限があり、それ以上寄付しても控除はない(本当に寄付になる)
・寄付した後の確定申告で「受領証明書」を添えて申告すると税金が控除される
・会社員など給与所得者は確定申告の必要がない「ワンストップ特例制度」が利用できる
・返礼品がもらえる場合が多いが過当競争にならないように「還元率30%以内」にするように政府から要請があった
・1月1日~12月31日までに寄付したものが翌年の申告で控除される
・返礼品目当てではなく災害被災地への寄付としても利用される
・どうせなら寄付の上限で自分の税金をしっかり使ってくれるところに納めるのもまた一興