税金

起業後の税金対策 2年間消費税が免税される免税事業者の制度と条件

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個人でも法人でも起業すれば消費税を納めなければならないと思っている方は少なくないでしょう。しかし、一定の条件に該当する方は消費税の納付義務が免除されるのです。

消費税が免税されると税務処理の手間が不要になるなどのメリットもあります。ここでは消費税が免税される制度とその条件などについて紹介しましょう。

消費税が免税される制度の目的、内容や条件

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事業者は一定の条件のもとで消費税が免税されることになりますが、この制度は事業者免税点制度と言われています。

事業者免税点制度の目的

事業者が商品を買ったり売ったりすれば各々に消費税がかかわってきます。事業者が商品を購入すれば買い手から消費税が請求され、商品を販売すれば消費税を売り手に請求することになるわけです。そして、それらの消費税は売り手から徴収した額から買い手に支払った額を差し引いて国に納付しなければなりません。

このような消費税の取り扱いは計算を含めて煩雑であるため創業間もない企業や小規模の企業には事務負担は軽くないでしょう。そのため国は事業者免税点制度を設けて、そうした企業が一定の条件のもとに消費税の免税が受けられるようにしているわけです。

事業者免税点制度の概要及び条件

課税期間の「基準期間」における課税売上高が1000万円以下の場合、その事業者は消費税の納付義務が免除される、という内容が事業者免税点制度です。

つまり、この制度の条件は基準期間での課税売上高が1000万円以下であるということになります。基準期間の内容は、原則として個人事業者が前々年、法人企業が前々事業年度です。これらに該当する事業者は自ら希望する場合を除き免税事業者になります。

 
しかし、制度変更があり平成25年1月1日以降からは上記の内容に加え「特定期間」の課税売上高或いは給与支払額が1000万円以下の事業者も消費税が免税されるのです。

この特定期間とは、個人事業者ではその年の前年の1月1日からの6カ月間、法人ではその事業年度の前事業年度の開始日以後の6カ月間になります。
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つまり、以前では創業してから2年までは基準期間がないため自動的に消費税が免税されていましたが、平成25年1月1日以降からは特定期間でも判定されることになったわけです。その結果、売上を急激に伸ばした企業などでは納付義務が発生することも十分に考えられるでしょう。

また、法人の場合は課税売上高に加えて資本金により免税が判定されるという規定があります。新設法人の事業年度の開始日の資本金又は出資金が1000万円以上の場合、消費税の納付が免除されない規定になっているので注意しましょう。なお、この資本金に関する規定は個人事業者には適用されません。

免税が適用されなくなるケースと注意点

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基準期間だけでなく特定期間の売上高が1000万円を超えると課税事業者になる!

特定期間は基準期間よりも直近で短い期間となっているため、納税免除の判定がより厳格化されているといえます。期間としては前年上期といった6カ月間が対象ですが、売り上げを順調に伸ばしている企業は該当する可能性が高まるので注意しましょう。

例えば、前年上期の課税売上高が1200万円だった法人の場合、次の年からは課税事業者となり消費税の納付は免除されなくなります。

h6ただし、課税売上高ではなく、特定期間の給与等支払額の合計額で納付免除の適用を判定することも可能です。売上高と給与等支払額の合計額のいずれかを判定材料に使うかは事業者の任意になっているので、給与支払額が1000万円以下の場合はこちらを選択すれば免除されるでしょう。

法人は急いで増資すると課税事業者になってしまう!

新設法人が創業した年度中に増資して、その資本金が1000万円以上になれば次の年度からは免税とはなりません。

例えば、創業時の資本金が500万円の法人が、その年度の途中で有力なスポンサーからの出資を受けて資本金を1500万円に増資するといった場合です。この増資の結果、その法人は次の年度からは課税事業者となり消費税は免税されなくなってしまいます。

たとえ、創業年度や2年目の課税売上高が1000万円以下であっても資本金が1000万円を超えてしまう場合は消費税を納付しなければならないので注意しましょう。

免税事業者としての注意点

免税事業者は売り上げた相手に消費税を請求してもかまわない!

免税事業者となっている企業の方の中には「免除されているので売り上げた相手に対して消費税を請求してはいけない」と思っている方がおられます。

h6しかし、法的には免税事業者が売り上げた相手に対して消費税を請求してはいけないというルールはありません。

 
そのため取引先から「貴社は免税事業者だから消費税を取らないでね」などといわれても素直に応じる必要はないのです。

一般的に事業者は仕入や経費などでさまざまな消費税を支払っていることが多いので、売り上げる相手に消費税を請求しないと損をすることになります。そのため免税事業者であっても売り上げた相手に対して消費税を請求するようにしましょう。